「…悪い、遅れた」
「……10分も待ったんですけど」
「…悪い」

「何してたの?」
「………」
「何してたの」
「…寝てた」
「なっ…!」
「寝てた、悪い」

「…ふうん、志波くんって、私とのデートより寝てる方が幸せなんだ」
「……ごめん」
「…否定しないんだ?」
「否定するまでもないだろ、おまえのが大事。当たり前」
「…なのに、寝坊するんだ」
「……」
「ふうん、へぇ〜」

「ごめんって。…なに食いたい?」
「あー!そ、そうやって!私に食べ物与えれば、機嫌直ると思ってるんでしょ!」
「…違うのか?」
「ち、違わない…かもしれないけど…」
「だろ?何食いたい」
「…いちごパフェ。超ウルトラスーパージャンボの。いちごもおっきいやつ」
「分かった。おごる。行くぞ」

「待って!」
「…?」
「それだけじゃ許さない」
「…なにすればいいんだ?」



「すきすきすきすき〜って、百回心を込めて言ったら許す」



「………」
「な、なによ」
「いいんだな?」
「え?」
「始めるぞ?」
「ど、どうぞ?」

「この人ごみで、お前はそれを百回聞き続けるんだぞ?」

「!!」
「責任持って最後の一回まで聞いとけよ。いいんだな、始めるぞ」
「ま、待って」
「…なんだよ」

「ごめんなさい、やっぱいいです…」

「…そうか」
「(…適わない…)」
「……そういうのは、あとで飽きるまで聞かせてやる」
「え?」



「2人のときに、な?」



「(…絶対に、適わない…)」





END





お題サイト・リライト様の「組み込み課題・台詞」の1つお借りして書きました。
お借りした組み込み課題:「すきすきすきすき〜って、百回心を込めて言ったら許す」